2007年11月21日水曜日

学習障害とはVOL2

職場での支援で一番重要なのは、見た目が普通なので、なかなか理解されずらいということです。その人の課題がどこにあるのか見極めて、支援方法を検討する必要があります。以下、支援方法を列記してみます。

・担当者の配置(メンター的な人がいい)
・周りの社員に理解を促す
・就労支援機器を利用する(数字や文字の読み上げソフトなど)
・ラベル
・チェックリスト
・フローチャート
・時間割
・静かな環境
・手順書の作成
・確認作業の実施

などとなります。

2007年11月20日火曜日

学習障害とはVOL1

学習障害とは、知的発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち、特定の能力に著しい遅れがある状態をいいます。他の障害や環境的要因が直接の原因ではありません。中枢神経
系に何らかの障害があると考えられています。症状としては次のようなことがあります。

・本がうまく読めない
・文字がはっきり書けない(鏡文字になったり)
・文章にまとまりがない。意味、構成がわかりにくい
・数字を正しく整列しづらい
・計算ができない
・落ち着いてすわっていられない
・体の平衡感覚が悪い
・抽象的な考えが苦手
・衝動的なところがある
・言葉の遅れ
・情報がうまく伝わらない
・少し前やずっと前のことが思い出せない

勉強が苦手とは違います。

2007年11月19日月曜日

アスペルガー症候群とはVOL2

アスペルガー症候群の方を支援するうえで重要なことを列記してみます。

・一生懸命さを認め、励ましの声をかける
・勤務時間、休憩などルールを明確に
・食事にさそうなどコミュニケーションをとる
・援助者が特定されている
・仕事内容がかわらない
・個人のペースに合わせた仕事量がある
・極力、本人の希望にあった仕事が用意されている

記憶力や集中力があると考えられていますが、個人差があります。まずフェイスシートを利用して、本人の特徴を把握することが大切です。

2007年11月16日金曜日

アスペルガー症候群とはVOL1

症状としては自閉症と同じですが、知的な遅れがないことがアスペルガー症候群の特徴です。特に他人の感情や考えを推論するのが苦手です。かといってコミュニケーションを求めないわけではありません。求めていますが、その方法がわかりずらいのです。初対面の人への声のかけ方、仲間内の会話への参加など、ぎこちなくなる場合があります。また自閉症同様、反復的なこだわりを持つ場合もあります。

2007年11月15日木曜日

自閉症とはVOL2

職場での支援方法について列記してみたいと思います。

①一定量の仕事量がある。インターバルの時間を作ってしまうと集中力が切れてしまうことがあります。
②集中できる環境をつくる。音や環境の変化に敏感なので、ついたてで個室をつくり、その中で作業をしてもらうこともあります。
③担当者がきまっている
④作業の手順等が変わる場合は、前もって本人に話す。
⑤勤務の時間割を一定にする
⑥本人の特性に合った職種だと力を発揮します。
⑦指示は一つ一つを具体的に。

などとなります。

2007年11月14日水曜日

自閉症とはVOL1

自閉症の特徴を3つあげると、
①社会的相互反応における質的な障害
 あうんの呼吸、仲間づくり、人と何かを達成する高揚感、ビジネスライクな付き合いなどが苦手です。
②コミュニケーションの質的な障害
 フォーマルな会話、インフォーマルな会話の両方が苦手です。
③反復的で常同的な行動、趣味
 常同的で限定的な一つの型に興味を集中する(こだわりが強い)、おかしな体の動きを繰り返しする(指や手をぱたぱたさせる、飛び跳ねる、ゆらす)

などとなります。

2007年11月13日火曜日

自閉症スペクトラム

スペクトラムとは連続体という意味です。社会性の障害という特徴を中心とした自閉的傾向を持つ人たちの集合体という意味です。広汎性発達障害は自閉症スペクトラムとほぼ同義語です。広汎性発達障害にはレット障害、小児崩壊性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害があります。レット障害と小児崩壊性障害は、知的障害を伴う自閉スペクトラム、アスペルガー障害と特定不能の広汎性発達障害は高機能広汎性発達障害とも呼ばれ、知的障害を伴わない自閉スペクトラムと呼ばれています。ごちゃごちゃしていますが、今後障害の細分化はますます進むと思われます。細分化することで適切なサービスが提供できるという利点がある反面、普通の人からはますますわかりづらくなっていくというデメリットもあります。

2007年11月12日月曜日

知的障害とはVOL5

大分古い資料になってしまいますが、1989年に精神薄弱者能力開発専門家会議が知的障害者の職場定着の阻害要因をまとめています。その報告によると、

本人の要因として
・仕事への持続性が弱い
・結果への関心が薄い。間違いに気づかない。質問しないで失敗する。
・規則への関心が薄く、理解ができないで見逃す。
・友人がいないので、職場がつまらない
・なれるにつれて甘え、仕事と私用の区別ができない
・注意されると反発や気に病む
・基礎体力に欠ける
・収入を得てもそれが勤労意欲に結びつかない
などがあげられています。当然個人差はありますが、傾向としては当たっています。

企業の要因
・障害や作業能力の特性に理解がない
・作業をやらせても細かく指導しない
・作業分析をしないで、作業の与え方に問題がある
・レクリエーション等の行事に参加させない
・労働条件に問題(不当な低給、昇給なし、残業の連続等)
・安全性に問題。施設や設備が扱いづらい
・単純作業の繰り返しで能力向上に配慮がない

家庭の要因
・経済生活への指導がない。収入を得る意味を理解できないために働く意欲をなくす
・通勤経路や時間に大きな変化が生じる
・本人に対する過大な要求(低給だから退職させる)
・過保護的な態度が問題となる
・家庭に適切な指導者がいない

約20年経過した今も、基本的にはずれていない見解だと思われます。ですからこの要因への対応を考えることが知的障害者の職場定着支援には必要ということになります。

2007年11月10日土曜日

知的障害とはVOL4

支援方法

・字を読むのが苦手な場合は、絵や図で示すか隣に座って読んであげます。ポイントはわかったかどうか確認することです。知的障害を持たれた方に何か教える場合は、必ず確認をします。

・字を書くのが苦手な場合は、言葉で答えてもらい代筆します。

・よく忘れる場合は、手順書を作成したり、チェックリストを作成し、一つ仕事が終わるたびに確認してもらいます。

・計算が苦手な場合は、計算機を使ったり、カウンターを使ったりします。長さを計算する場合は、机に印をつけたり、目で見てわかるようにします。

・食器棚や備品棚を整理する場合は、その棚の中に入っている物の写真を、棚に貼ります。写真でなくとも色の付いたテープ、ラベルなどで代用することも可能です。

・時計が読めない場合は、主要な時間帯(休み、昼食、退勤)にアラームを鳴らしたり、時計の文字盤の前のカバー部分に印をつけたりします。簡単なのは声をかけてあげることですが。

支援方法をまとめると
・言葉によるもの
・目印となるものをつくる
・モデリング(実演)
・手を添える

となります。

2007年11月9日金曜日

知的障害とはVOL3

職場で課題になりやすいスキル

1998年に障害者職業総合センターがまとめた資料があります。その資料によると、知的障害者が職場で課題になりやすいスキルとして、次の項目が挙がっています。

仕事を仕上げる
指示を実行する
変更への対応
仲間との協力
連絡
道具を大切にする
会話
わからないときの対応
相談のしかた
気分の悪いとき
緊急時の対応
要望を述べる
余暇
腕を磨く方法を知る
同僚を助ける
仲間と仲良くする
知らない人への対応
言葉使い・マナー
批判をうけたとき
気持ちの切り替え
次の仕事についてたづねる
金銭の管理

この項目を表にして、毎月チェックしていくと、職場での進歩の状況がわかります。業務内容を分解したものを付け加えるとさらにいいかもしれません。

知的障害とはVOL2

仕事をする上での留意点

コミュニケーションに関する変化への対応が苦手です。
担当者の移動
同僚の退職
新人の就職
仕事の進め方の変更
職務の変更
などです。

また
生活の乱れ
薬の飲み忘れ
などにも注意が必要です。

できるならば、この変化を最小限にすることが職業生活の安定につながります。
決まった担当者がいる
仕事内容や手順が決まっている
本人のペースにあった仕事量がある
ここに、悩み事を聞いてくれる人がいるのがベターです。

2007年11月7日水曜日

知的障害とはVOL1

企業の方から、知的障害とは何なのかがわからないという声をよく聞きます。特に、入社後の目標設定をどうすればいいのか、どこまで伸びるのか、どのように評価すればいいのかという質問を受けます。もちろん個人差があり、生育歴や性格でキャラクターは違ってきます。ここでは文献上の定義や、就労場面での課題などについて記述していきたいと思います。

知的障害とは
先天的な知的機能の発達障害をさします。おおむね18歳までに現れますが、後天的なものはありません(厳密には、生まれた直後の出来事を原因としたものはある)。知能指数がおおむね70までで、日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、探索操作、移動、生活文化、職業等)の到達水準が総合的に見て、同年齢の人の日常生活能力より劣ります。

認知症との違い
認知症は、正常に発達した知能が、なんらかの原因で低下したものをさします。知的障害は先天的な知的機能の遅れをさします。

就労が可能な人たち
おおむね軽度の方(知能指数が50~69)、ボーダーの方(知能指数が70~80)が多くをしめます。一般就労している中度の方(知能指数35~49)もいますが、通常は作業所に通っています。重度の方(知能指数20~34)の多くは、授産施設やデイケアー施設に通っています。

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